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| ■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第6号 ■■ |
「ナウンカ村騒動記」
鹿児島大学では国際協力農業体験講座という正規の授業があります。これに参加する と2単位もらえるという旧国立大学では非常に珍しい講座です。毎年タイとミャン マーに15名ずつ訪れて様々な体験をしていくのですが、ミャンマーは5年前から南 シャン州へ訪れています。今年の一行の16名は地球市民の会が活動しているナウンカ 村でのホームステイにやってきました。
今回、鹿児島大学生がホームステイした南シャン州ナウンカ村はミャンマーの少数民 族ポーオ族の村です。どのような村かといいますと、村人の95%が農業従事者。村の 家々に電灯のある家は稀で、あったとしても25ワットの蛍光灯が一本だけを家族みん なで使っています。それも10時を過ぎると消えてしまいます。半分ぐらいはろうそく を使っての生活です。トイレは家の外にトイレットペーパーのないトイレ。シャワー も家の外の野外の水浴び場、そのような村に学生たちはホームステイをするのでし た。
この村では外国人が訪れるのは本当に稀で、中でも日本人が16名も来て自分たちの村 で3日間も過ごすというイベントは、ナウンカ村始って以来の大イベントです。事前 の準備で村に訪れたときに「何を食べさせたらいいのか?」「うちにはベッドはないが いいか?」「日本人は湯を浴びるというが・・・」などと、戦々恐々としていた雰囲気 の村の人々でしたが、我々が到着してからは村中を挙げての大歓迎振りです。道に溢 れんばかりの民族衣装を着た村人が私たちをを出迎えました。打って変わっての盛り 上がりに私もびっくりしました。
何よりも感動的だったのが村人たちのおもてなし振りです。「遠く離れた子供が帰っ てきたように接してください」と事前説明会で村の方々には話しておりましたが、本 当の子供のように大切にしてくれたのです。それぞれの家にホームステイした学生の もとにその家族の親戚はもとより、プログラムに参加していない近所の人も集まり、 常に15名以上が学生の周りで交流をしていました。学生がくしゃみを一つしただけで 「寒くないか?」「風邪ではないか?」「具合は大丈夫か?」と蜂の巣をつついたよう な大騒ぎです。
ある晩、私が滞在していた家に、女子学生を預かってもらっているホストファミリー のお父さんが訪ねてきました。「うちの娘が(もうすでに娘と呼んでしまっているの です)さっきから何回もトイレに行く。具合が悪いのではないかと心配でたまらな い。どうか家まで来て欲しい。」というのです。それは大変だとその家に行ったら、 件の女学生は元気に笑っているのです。「なんかトイレに何回も行ってるんだって、 大丈夫?」と聞いたら「あはははは、わたし、ご飯食べたら、おしっこ近いんで すぅ。でも、行く度にみんなトイレまで心配してついてくるから落ち着いてできない んですぅ。」・・・親父さん、心配な気持ちは判るけど、大と小はやっぱり、わかるん じゃないの?と思う私でした。
この女子学生もこの顛末には少し困った風な様子でしたが、ここまで心配してくれる 家族に本当に感動している様子でした。このようなことは何処の家族でも起こってい ました。その証拠に、ホームステイを終えてお別れの際に男子学生も含めて多くの学 生が涙を流しながら、別れを惜しんだのですから。ホストファミリーの村人もみんな 涙を流し、特に親父さんが男泣きに泣いている姿は私も心を打たれました。女学生を 受け入れてくれた頑固そうな親父さんが私のところにやってきて声を詰まらせながら 「・・・ありがとう・・・、ありがとうっ」と目に一杯に溜まった涙をこらえている姿にな ぜか私の心の中からも暖かいものが湧き出てくるようでした。
鹿児島大学生は来年も来てくれないかなぁ。佐賀の大学生や中高生たちにも、来てほ しいなぁ。佐賀大学もこんな講座しないかなぁ。
大野 拝
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