|
| ■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第27回 ■■ |
お盆休みもたけなわでしょう。久しぶりのNHKニュースでは帰省のUターンラッシュが 放映されていました。ミャンマーに来っぱなしの私たちとしてはUターンという響き に、「なんだか憧れを感じるね」と話しています。
「親馬鹿でしょうが・・・娘の話を」
私の娘は現在5歳でミャンマーの学校に通っています。こちらでは6歳から1年生が始 まるのですが、少数民族の多い国ではミャンマー語を読み書きできない子どものため に1年生からのレベルを揃えるために1年前に0年生というのを設定しています。です ので、5歳で既に小学校に行っているのです。当初、娘は公立学校にやろうと思って いましたが、こちらの保育園でミャンマー語をしゃべられるようにならなかったの で、それは諦めて、英語で授業を行う学校に行かせています。そろそろ、ミャンマー 語の能力が日常会話レベルで私を追い抜きつつある娘は英語も毎日勉強しているの で、説明が複雑ですが、子どもには逆に理解が早い事があります。例えば「I
like it」を説明するのに「チャイテー」というミャンマー語で説明を受けるのですが、娘 はそれを「好いとう」と言う九州弁にそろえて置き換えるのです。彼女の中で多国語 のチャンネルが出来上がっていっているようです。それを見ていると一向に語学が進 展しない私は子どもに敗北宣言をするしかありません。
そういう彼女ですが、学校でショックな体験もしてきます。先日、学校から帰ってき て私に「とうちゃん、今日学校で悲しい事があったよ」と報告をしてきました。彼女 がトイレに行き手を洗っていると中国人のお兄ちゃんがやってきて「JAPAN」と叫ん で頭から水をかけられたというのです。「可和世(かなよ)は何も悪いことしてない んだけど。どうしてオニイチャンは可和世に水をかけたの?」折しも中国では日本へ の反日運動が激化している今、ミャンマー辺境の町タウンジーでもその影響が出てい るのでしょうか。その事を上手く娘に説明してやれない父としては「オニイチャン何 かを間違えたんだよ、可和世は悪くないよ」と話してやるしかありません。
日本、特に佐賀にいれば中国人は少数で、中国の運動でこのような影響がでる事はほ とんどないのかもしれません。しかし、タウンジーでは中国人がたくさんいます。で すからこのようなことが起こってしまうのでしょう。差別というものはこの世界の中 で厳然たる事実として存在し、それにショックを受け、悲しさを感じる子どもがたく さんいることでしょう。佐賀にいるとまさかわが子がそのような目に会うとは思って いませんし、また、そのような差別があることは頭で分かっていても、差別される側 をのことを心から判る事はできなかったでしょう。娘には理不尽な出来事が私たち大 人に気付かせる機会を与えてくれました。
中国人のお兄ちゃんはその後娘に何かするということはなく、単なる一過性の出来事 で終わったようです。娘にとってはそれ以外にもコミュニケーションの不足による (通じない)ストレスや友達の問題、軽微ないじめの問題などがあるようですが、本 人は行く意欲を持っているようで、学校は楽しい、と話しています。私だったらどう だろう、もう嫌になってしまっているのではないかな、あいつ(娘)は偉いな、と親 馬鹿なことを考えています。(了)
次号は同じタイトルの番外編をお送りします。明日送る予定です。
大野 拝
|
|