■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第24回 ■■


皆さんお元気ですか?こちらはすっかり雨季です。日本の梅雨のようにずっと降りっ
放しではなく、一日に数回強い雨が降るようです。ただ、雨が降ると気温が下がり、
タウンジーでは薄手のジャケットが必要になります。子供は半袖で走り回っています
が。

「ささやかな幸せ」

先日日曜日丸一日を含んで37時間という停電に見舞われました。現在こちらは雨季
ですので外出もせず家に滞在します。そんな中での停電でしたので、様々な問題が発
生しました。

一番の問題は水でした。現在の住まいの水は井戸水なのですが、30メートルの深井
戸からコンプレッサーを使って地上のタンクまで水を揚げ、その後電気ポンプで屋根
の上のタンクに水を揚げて家に配水をするという仕組みになっています。ですので、
電気がなくなると水を揚げることが出来なくなります。水は毎朝揚げることにしてい
ますので、朝にはタンクの中の水は半分以下になっているはずです。半日から1日し
かもたない量なのですが、停電がある日は長くて半日、早ければ午前中に電気は来ま
すのでその日も昼過ぎには電気は来るだろうと高をくくっていました。

ところが、昼を過ぎて夕方になっても全然電気の来る様子はありません。だんだん連
れ合いの顔色が変わってきます。いつ突然水道の水が止まるかもしれないのです。洗
濯は出来ない、食器洗いも恐る恐るしかできない、トイレの水は流せない。子供達は
雨の中泥んこになって遊んでいるし、夜の子供達の風呂はどうしよう?電気が無いと
ボイラーも役立たずです。連れ合いは水道の蛇口を「ドキドキしながら」開け、節約
しながら急いで水を使っていました。

その日の夜は早々に床に付きました。「明日の朝には電気は来てるかなぁ」と連れ合
い。「あんまり長く停電すると国民も怒るからきっと来るさ」と何の根拠もなく発言
する私。来る事を祈って眠ることしか出来ませんでした。連れ合いの朝の初めの仕事
は電気のチェックです。次の朝起きるなり暗い顔をして「電気来てないよ」。今では
鍋とガスでご飯を炊けるようになった連れ合いは停電の中、朝食と子供の学校の弁当
を作り、「洗濯できないから今朝は時間的に余裕よ」などと空元気。「冷蔵庫、電気
なければ、ただの箱」と言い放つ彼女はいつ来るか解らない電気に諦めモードなので
しょうか。

そして昼前、待望の電気がやってきました。連れ合いが頬を紅潮させて「電気が来た
よぉ〜」と家中響き渡る声で報告、そして最初にやった事が水のポンプのスイッチを
入れることです。そして私のところに来て「電気が来てるだけで、すっごい幸せ」と
嬉しそうに言いました。今の彼女には高価な指輪よりも電気のほうがずっと価値があ
るのでしょう。

阪神大震災の際に「ライフライン」つまり生活に必要最低限なものを維持する設備と
して電気、水道、電話があげられていました。日本では電気と水という二つの当たり
前なものも今の私たちにはあれば幸せ、なければしょうがない、の状況で生活を送る
しかありません。「生きているだけで儲けもの」までの境地にはなかなかなれません
が、日本にいれば感じられないささやかな幸せを生活の中で感じながら過ごしていま
す。いい勉強をさせていただいております。そしてこのささやかな幸せを忘れたら、
きっと大きなお仕置きがあるんだろうなと考えています。大きな地震、大きな事故、
とんでもない事件、たまに見る日本のニュースを見ながら、これがそうでなければい
いんだけど、と話し合う辺境に住む私達です。(了)

今日から熊本から森林復元プロジェクトのメンバー7人が来訪です。日本人の来訪は
仕事が増えますが、ワクワクしてしまいます。

大野  拝




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