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| ■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第17回 ■■ |
「迂闊(うかつ)なり、大野夫婦」
家族がともにミャンマーにやってきてから、休みの日は子供のために時間を使うよ うに連れ合いと合意がなされました。私が仕事の関係で休みが不定期で、全然休みが ない週もあるので、休みのときぐらいは子供のために時間を使おうということになっ たのです。
先週の土曜日は2週間ぶりの休みでした。朝から絶好調の娘と息子はどこに連れて 行ってもらおうかとワクワク気分です。片道40分の市場まで歩いてゆき、子供らは おもちゃを見たり、ドーナツ屋に行ったり、チョコチョコ走り回った挙句、途中で疲 れた彼らは我々に抱きかかえられ家に帰ってきます。私たちは日ごろの疲れも重なり グッタリし、まったく疲労困憊な夫婦になってしまいました。
子供も寝ているから昼寝でもするか、と話し合っていたところにエイエイ先生が やってきました。今日市場で知り合いの農家から日本の品種のイチゴを作って上手く いっているので畑に見に来ないかと言われ、今から行くから一緒に来ないか、という 誘いです。断りたい気持ちで一杯の私たちでしたが、運良く(悪く)それまで泥のよ うに眠っていた娘が何故だか嗅覚の発達した野生猫のように「バチッ」と目を覚ま し、即座に「行く、行く、行く」の連発です。仕方がないのでお誘いに乗りました。
私の仕事にとって、このイチゴ畑視察は非常に勉強になったので大変有意義な訪問 となりました。しかし、ここで、私たち夫婦は大失態をしでかしてしまいました。 まったく恥ずかしい話です。
イチゴ畑に着いて間もなく、エイエイ先生から「大野さん、ここの畑は農薬や化学肥 料を一切使っていませんからきれいなイチゴです、どうぞそのまま食べてください」 といわれました。既に同行したほかのミャンマーの人々はパクパク食べながら「日本 のイチゴは違うね、これはおいしい」などと話しています。「さあ、遠慮なくどんど ん食べて」という言葉に私たちは何も考えず従ってしまい、一緒になって食べまし た。「おぉ、これは甘いね」と私「ミャンマーで日本のイチゴが食べられるなんて ね」と連れ合い。
疲れていました。思考が止まっていました。迂闊(うかつ)でした。普通はこんな ことは考えられません。確かに有機無農薬でしょう。日本じゃすぐにパクついても問 題はないでしょう。しかし、ここはミャンマーです。かけている水はそのへんを流れ ている泥水です。農業用水に問題があることは少し考えればわかるはずです。ミャン マー人には問題ないものでも我々日本人には危険な下剤成分てんこ盛りの水です。 あぁ、日本人であることを忘れてしまっていました。
イチゴ農園訪問の翌日の午後、連れ合いが発熱しました。39度で、関節が痛く、 吐き気がするというのです。その夜、私の下痢が始まりました。翌朝まで十数回。翌 日は両名ともさらに悪化。連れ合いは水のにおいを嗅いだだけで吐き気を催し、一切 口には出来ず、身体を動かすのも苦痛な状態です。とうとう衰弱のあまり7時間の点 滴を打ち、お尻に注射まで打たれてしまいました。私は30分に一度トイレに直行、 当然吐き気もあり食欲ゼロ。夫婦揃って寝込みながら、たまに意識が戻れば、「馬鹿 だよね」と話し合い、連れ合いは「日本に帰りたい」と弱音の吐き気も出てきまし た。夫婦揃ってどうしようもない状況でした。
子供達はというと、娘はイチゴ畑に着くなり食べるのもそっちのけでイチゴ狩りに 熱中し、ほとんど口にしていませんでした。息子はイチゴ畑に着くなり深い眠りにつ きました。二人とも少しは口にしているのですが体力があったのでしょうか、なんら 問題なく元気でした。これは、不幸中の幸いでしょう。さて、親が仮死状態中の子供 達はどうだったでしょうか?
知り合いが入れ替わり立ち代りお医者さんや看護婦さんを連れてきてくれて至れり 尽くせりの看護体制が構築され、子供達の世話を見るために連れ合いが日本語を教え ている生徒、貸し家の大家さん、家政婦さんが子供らを家から連れ出してくれまし た。我々夫婦はただ寝ているだけで良く、子供は苦しむ親を尻目に普段にはない特別 待遇に満足していました。
さてこの顛末、大野家ミャンマー滞在史に「イチゴ事件」と大きな苦い出来事とし て残ることでしょう。あぁ、情けなや、情けなや。(了)
さて、私たち夫婦は若干引きずりながらも順調に回復期にあります。「山パゴダ後 編」ほか現在ミャン通第19号まで出来上がっています。今年に入って発行がされてい ませんでしたがネタだけは溜まってしまっています。外出が出来ないので何本か仕上 げました。この週末からしばらくは週1回のミャン通になります。ご迷惑な方は配信 を止めますのでご遠慮なくお申し付けください。
佐賀では地震も酷かったようですが、皆さんの中には影響のあった方はいらっしゃい ませんでしたか?
また、佐賀もイチゴの最盛期でしょうが佐賀のブランドイチゴ「さがほのか」の苗を ミャンマーで栽培したいのですが、いいアイデアはないでしょうか?懲りん奴?
大野 拝
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