■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第12回 ■■


「家族が来たぞ」

 皆様お久しぶりです。家族がタウンジーにやってきてあっという間に2週間が過ぎ
ました。この間の悲喜こもごもは本当にあっという間の出来事でした。

 特に連れ合いの混乱振りは、傍で見ていても気の毒なほどです。なにせ、彼女は初
の海外居住です。生まれてから佐賀以外では高卒後就職で福岡に数年住んだだけ。海
外旅行は今まで3回、釜山、タイ、バリ島という日本語が通じる場所。言葉は佐賀弁
以外日本語の標準語すら話せません。そんな状態で、日本人が私たちの家族以外1人
しかいない場所への移住は、それは決断の要ったことでしょう。(厳密には日本語を
話せるミャンマーの方が助けてくれていますので、何かとやれてはいますが。)

 買い物に行くのにも、どの店に何があるのか判らず、店では言葉が100%通じな
く、4歳と1歳の子供を連れて30分歩いて行かなければならないという状況は既にスト
レスとなっています。買いたいものが買えないのですから当たり前です。ごみの捨て
方、トイレの使い方、水浴びの仕方まですべてが戸惑いの中にあるのでしょう。

 中でも、大きなストレスになっているのは停電です。こちらに来て5日目、やっと
日々の生活を始めよう連れ合いも意気込んでいたその日、丁度タウンジーの年に一度
のお祭りが終わった翌日でありました。お祭りで発電所のオイルを使い切ったらしく
寝る前の夜12時からその日の夜9時まで全然電気が来ないのにはやる気満々だった彼
女の出鼻を思いっきりくじいてしまいました。子供のために朝ごはんを作ろうとして
も炊飯器が使えない。洗濯のため水を井戸から揚げようとしてもモーターが回らな
い。水が不足気味なのでトイレにも気を使わなければなりません。ぐずる子供に童謡
でもと思っても、電気がないのでCDが動かない。夕方5時を過ぎ、あたりが暗くなっ
ても一向に電気は来ないのでろうそくを灯しながら、部屋で家族4人が何をするでも
なく過ごすしかありません。湯を浴びるにも電気ボイラーは動きません。夕飯はご飯
を鍋で火を使って炊いてみたのですが、焦げてしまう。

 「これがミャンマーさ」という私に、彼女はウンザリして「泣きたくなっちゃう」
といいながら、「でも、私たちって電気が無ければ何もできないのね。ミャンマーの
人はこんなときでも普通に生活しているのだから偉いと思う」と話しました。「でも
電気が来ないのは本当に困る」と不満いっぱいに言う彼女に、4歳の娘は「かあちゃ
ん、それがミャンマーさ」と、したり顔で話すのを聞いた瞬間、私と彼女大爆笑を
し、訳の判らない1歳の息子はきょとんとしながら「でへでへ」と愛想笑いをしてい
ました。不便の中で、なんとなく穏やかな家族団欒の時間を過ごしているのが不思議
です。

 さて、それから数日間停電との戦いが続いた今、ある程度停電に慣れた私の連れ合
いは朝から「ミーマラーブー」(電気が来ていない!!)と叫びながらしたたかに
日々の普通の?生活を送っています。(了)




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