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| ■■ ミャンマー通信:ミャン坊マー坊天気予報:第10回 ■■ |
「タウンジー電気事情」
今月28日の満月はミャンマーでは大きなお祭りとなります。ダディンジュというお 祭りですが雨季の終了とともにおこなわれます。ミャンマーの人にこのお祭りの意味 を聞くと、お釈迦様が自身悟りを開く前に他界した母親がいる天国(この表現が正し いかどうかわかりませんが)に説教をして帰ってくる日といわれています。町中にこ の日のための飾り付けの屋台が出現し様々な提灯を売っています。子供たちは凧揚げ と花火のシーズン到来とばかりにこれらを楽しんでいます。どこか、浮かれた雰囲気 のタウンジーです。
ところが、浮かれてばかりいられないのが電気事情なのです。途上国の電気不足はど の国も抱える大きな問題ですが、ミャンマーもその例外ではありません。その多くを 水力発電に頼るこの国では、初めて経験する乾季から暑季にかけては多くの停電があ るということなのです。雨量たっぷりの今でさえも停電は一日一回発生しています。 ですから、どんなことになるのかと思うとちょっと気が重くなります。
毎日の停電はそれでも微妙な時間に起こります。たとえば、朝5時前後は停電してい ることが多いのですが、皆が活動をはじめる6時ごろはなぜか電気は通ります。午後2 時ごろは停電の場合が多いのですが、みんなが家に帰る5時ごろから電気は通りま す。そして決まったように夜8時から10時の間に20~40分の停電です。停電は多くの 人が我慢できる間に発生し、また怒りが込み上げてくる寸前に停電が終わるのです。 ミャンマーの人が言っていました。「電気会社の人は仕事を増やさないように電気を 止めておいて、自分が帰る頃は家で電気が必要だから通してから会社を出るんだ」良 くできた冗談に思わず笑ってしまいました。
ミャンマーでは停電はしょうがないのです。ですから住民はそれを受け入れながら生 活しています。小型の発電機を持っている人、12時間充電できるバッテリーを持って いる人などそれぞれ対応していますが、私はといいますと、多くのミャンマーの方々 と同じようにロウソクで夜は対応しています。ミャンマーの人はロウソクだけで夜を どのようにすごしているかといいますと、まだ夜暖かかったころは家族が庭に出てろ うそくの下でお茶などを飲みながらお話をするそうです。「ロウソクの灯で本を読ん だら目が悪くなるし頭も痛くなる、どうせ何もできないんだからみんなで話をするの が一番だ」という具合です。
今は雨季も終わり空に雲がない場合は満天に横たわる天の川を肉眼で見ることが出来 ます。特に停電になるとそれは星がきれいなのです。そんな下で家族とお茶を飲みな がらお話できたら、それは幸せだろうな、などとミャンマー人に話したら、きょとん として「何がきれいなの」と尋ねられてしまいました。そりゃそうです。降るような 星をきれいだと思うのは、降るような星を見る機会の少ない日本人の感覚でしかあり ません。ミャンマー人にとってみればそのような星は毎日の当たり前のことで、別段 凄いことでもなんでもないのです。
もし日本がこんなに停電の多い国だったらどうなることでしょうか。多くの日本人か らすると「そんなところでは生活できない」と思ってしまうでしょう。停電が毎日続 くようでは『電力会社に文句を言ってやる』という感情が起こると思います。でも、 日本人がなければ生活できないと思っているこの電気も、なければ不便ですが、それ はそれなりに何とかなるし、なければない生活を楽しむことができます。ですので、 日本のことを先進国といわずに、開発途上国に対して開発過剰国という人もいます。
過剰というのは「過ぎたるは及ばざるに如かず」ということなのでしょう。台風23 号、新潟の地震と大きな災害が続いている日本。ミャンマーよりもずっと進んでいる 国であるにもかかわらず、自然の力の前では歯が立たないようです。自然の脅威の前 では人間はすべて受け入れるしかないというのはどんな進んだ国も途上国と一緒なの だという気になりました。自然というのは不便なものです。冬は寒いし、夏は暑い し、夜は暗いし、人の声は遠くまで聞こえないし、隣の町の事件も情報手段がなけれ ば知ることはできません。そんな当たり前な不便さから、みんなが幸せになるために 自然に立ち向かい私たち日本人はここまで来ました。でもやっぱり自然には人間は勝 てないようです。人間も自然の一部なのですから当たり前ではあるのですが。
ロウソクの揺れる灯を眺めながら、家族のことを思う独り身の生活もあと少しです。 (第10回 了)
追記:いよいよ11月は家族を迎えに帰国です。次回ミャン通はその前に生活のコネ タを大量放出の予定です。
11月の帰国の際には報告会をおこなう予定です。佐賀と北九州が決まっております。
佐賀:
11月19日(金) 19:00〜20:30 クレオパーク鍋島内「組合会館」
北九州:11月15日(月) 時間場所未定。
他が決まればまた連絡いたします。
皆様是非お会いしましょう。
大野 拝
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